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羊毛(ウール)セーターについて

寒い冬になると活躍するセーター。一般的にセーターという衣類は繊維に羊毛(ウール)を使用し、優れた保温性と吸湿性をもった、冬服を代表する衣類です。しかし近頃、羊毛以外の繊維を使用したセーターや、ビーズなど付属品の付いたセーター、「自宅で洗える」セーターなども登場しております。
そこで、このページでは羊毛(ウール)セーターの取扱いにまつわる様々な疑問に対してQ&Aで紹介します。

羊毛(ウール)のセーターを水洗いすると、なぜ縮むのでしょうか?

答え
羊毛の繊維を顕微鏡で拡大してみると、繊維表面がギザギザしておりウロコ状になっています。
このウロコは乾燥状態だと閉じており、繊維同士を動かしてもからみにくいですが、水の中だとウロコが開いてしまい、更に水中で動かすことにより繊維同士がからみ合い、硬化(硬くなる)や収縮(縮み)を引き起こします。こうした現象を「フェルト収縮」と言い、これが縮みの原因です。

ウールの縮み

ドライクリーニングだと何故縮まないのですか?

答え
ドライクリーニングとは、水を使わず有機溶剤を使うクリーニング方法です。
つまり、有機溶剤の中で品物をクリーニングすることで、羊毛の繊維表面にあるウロコが開きにくく、フェルト収縮が起きにくいからです。

羊毛をドライクリーニングした場合

「自宅で洗える」セーターは、何故自宅で洗えるのですか?

答え

自宅の洗濯機で羊毛(ウール)のセーターが洗えない原因は、水分によりフェルト収縮が起きやすいところにありますが、近頃「自宅で洗える」ことを売りにする、いわゆる「ウォッシャブルセーター」が販売されています。

こうしたセーターには、水中での摩擦で収縮するという羊毛(ウール)のデメリットを抑える加工、つまり「防縮加工」を繊維に施している場合が多いと言えます。
羊毛(ウール)の収縮を抑えるには、水分を含んでも繊維の表面にあるうろこを開かせない工夫をすれば、繊維は絡み合わずに済み、結果縮みにくくなる、という考え方が基本にあるようです。

ウールに施される加工
その主な方法として2種類挙げることが出来ます。

一つ目は、繊維の表面を樹脂でコーティングしてしまい、水中で繊維同士にもみ作用を加えても、絡み合わないようにしています。

二つ目は、繊維の表面にあるウロコ状の端を切除することてギザギザ部分を無くしてしまい、もみ作用で絡み合うことを防いでいます。

こうした特殊加工が羊毛(ウール)セーターの家庭洗濯を一部可能にさせているようです。
とは言っても、こうした商品に付いている取扱絵表示の指示にあるように、その多くは「手洗い」か「洗濯機(弱)」が求められていることから、慎重な扱いが必要だと言えます。それ以外にも、洗剤の種類や干し方など、様々な指示が明記されているはずです。

このように例え特殊加工を行っていても、羊毛(ウール)セーターの水洗いは繊維の特性上「本来やるべきでないことをやる」訳ですので、必ず取扱い絵表示の内容に基づき、自己責任の範囲で行うようにしてください。


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