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シミ抜きやウェットクリーニングをお願いしてみよう

クリーニング店のサービスは、ワイシャツ○○○円、スーツ○○○円というように、衣服の種類によって料金体系化されているお店が多いです。理由としては、商慣習的側面と、もちろんお店によって洗い上がりや仕上がりの品質の差は出てきますが、ある程度画一的な処理が可能であることから基本料金化してサービスを提供出来るという側面があるからかもしれません。
ところが、現代社会では衣服の種類は増え、また、着方や汚れ方なども多種多様になっています。
そこで、画一化された処理では落とし切れない汚れを落とすメニューがあります。それが、「シミ抜き」や「ウェットクリーニング」といわれるメニューです。
ここでは、そのようなオプションメニューを利用するメリットを解説します。

2つの視点

クリーニング店で行われる衣服を洗ってキレイにする方法はお店によって様々ですが、衣服を浸す液体(洗浄液)の違いで2つに大別することが出来ます。

1つ目は、皆さんが家庭でお洗濯するのと同様「水(または湯)」を使う方法。
2つ目は、「(油を原料とした)有機溶剤」を使う方法です。

そして、「水」を使う方法を『ランドリー(水洗い)』及び『ウェットクリーニング』と呼び、「溶剤」を使う方法を『ドライクリーニング』と呼びます。しかしまず便宜上『ウェットクリーニング』は外しておきます。

そこで、衣服を洗う際に注目するポイントとして、1つ目は「衣服に使用されている素材」で、2つ目は「汚れの種類」を挙げることが出来ます。そこで、各々の視点によって、ランドリーかドライクリーニングかを振り分けると以下のようになります。

衣服に使われている素材に注目
衣服に使われている素材に注目し水洗い出来る衣服であれば、ランドリー。一方、ケアラベルの水洗い表示に×がついていたり水で洗うと色落ちしてしまうような水洗い出来ない衣服であれば、ドライクリーニングになります。

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汚れの種類に注目
また別の視点として汚れの種類に注目すると、水溶性汚れ(水に溶ける汚れ)であれば、ランドリーが適切で、油溶性汚れ(脂系の汚れで溶剤に溶ける汚れ)であれば、ドライクリーニングが適切といえます。

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このような基本的視点をふまえたうえお客様の要望なども複合的に考慮し、時にシミ抜きなどのオプションを加えながらそのお店にとっての最適な洗いと仕上げを提供するのがクリーニングの仕事と言えます。

では、もう少しこの視点を掘り下げてみましょう。


パターンで見る

上述の視点では「素材」と「汚れ」というように2つに分けていますが、実際の衣服を洗う場合は、2つの視点を組み合わせる必要があります。すると下記のように(A)(B)(C)(D)と4つのパターンが生まれます。

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(A)水洗い出来る衣服と水溶性汚れ~相性の良い 水と水の関係~

水洗い出来る衣服にジュースなどの水溶性汚れがついた場合、家庭洗濯でも行われる一般的な水洗いの洗濯方法で、衣服に大きな影響を与えないまま汚れも落とします。

(B)水洗い出来る衣服と油溶性汚れ~相性の悪い 水と油の関係~

水洗い出来る衣服にラー油や皮脂などの油溶性汚れがついている場合、より洗浄効果の高い洗剤を用いた水洗いの洗濯で、場合によっては若干衣服に影響を与えるリスクをおかしながらも油溶性汚れを落とします。
しかし、水洗いと洗浄効果の高い洗剤を用いても場合によっては油溶性汚れを完全に落とすのは限界があります。例えば家庭洗濯のみで白いシャツを洗った場合、気付くといつの間にか襟元が黄色く変色していることがあります。これは、油溶性汚れが落ち切れておらず蓄積し、また酸化したことにより変色したケースです。

(C)水洗い出来ない衣服と水溶性汚れ~相性の悪い 油と水の関係~

水洗い出来ない衣服(ドライクリーニング品)にジュースなどの水溶性汚れがついた場合、前処理を施したうえ、少量の水と専用洗剤を用いたドライクリーニングで、水溶性汚れを落とします。

しかし、ドライクリーニングだけで水溶性汚れを完全に落とすのは限界があります。しかも、残った汚れが蓄積し酸化を引き起こすケースもあります。

(D)水洗い出来ない衣服と油溶性汚れ~相性の良い 油と油の関係~

水洗い出来ない衣服(ドライクリーニング品)にラー油などの油溶性汚れがついている場合、通常のドライクリーニングで、衣服に大きな影響を与えないまま汚れも落とします。

課題解決追求に貪欲なお店か?

4つのパターンを見て頂くと、(B)と(C)のパターンは各々相性が悪く、つまり、縮みや風合い変化など衣服にダメージを与えたり、汚れが落ちないなどの可能性が高いです。
しかし、(B)と(C)のようなパターンでも短所を補う方法は存在します。この短所を補う技術と知識をどの程度持っており、お客様に提供し喜ばれているのかが、お店選びのバロメーターとも言えます。

(B)水洗い出来る衣服と油溶性汚れにいての課題解決法

水洗い出来る衣服のケアラベルを見て「ドライマーク」がついているようであれば、「ドライクリーニングが出来る」ので、クリーニング店に油溶性汚れと相性の良いドライクリーニングをお願いすることで解決します。または、ドライクリーニングでなくても、油溶性汚れが部分的であれば「シミ抜き」をお願いするのも方法です。

シミ抜きについて

シミ抜きは必ずしも(B)パターン以外の場合でも利用出来るオプションです。
シミがついたら何もせずすぐにクリーニング店に相談するのが鉄則です。水で取ろうとして水をシミに含ませたばかりにかえってシミが取れ難くなるケースも沢山あります。
(C)水洗い出来ない衣服と水溶性汚れについての課題解決法

ドライクリーニング対象品を水で洗う方法が存在します。それが「ウェットクリーニング」という方法です。
ウェットクリーニングとは具体的には「洗浄液として水を用い、洗たく物の化学的・物理的ダメージを極力抑えた状態で行う特殊処理方法」です。
つまり、本来はドライクリーニングすべき洗たく物を水溶性の汚れを落とす為に水(または湯)を洗浄液として使用する洗たく方法という考え方にもなり、解決法として「ウェットクリーニング」を行うことが挙げられます。

しかし、「ウェットクリーニング」は特殊な処理方法でありリスクがあるうえに比較的高度な技術を要求されます。そしてそのレベルも様々です。また、もちろんどんなに高度な技術を持っているお店であっても汚れが落ちない場合もあります。

参考:ウェットクリーニングとは

クリーニングのオプションサービスを利用するメリット

クリーニング店によってシステムのバラつきはありますが、「シミ抜き」や「ウェットクリーニング」は通常のコースとは別に、オプションとしてお客様が選ぶ必要があります。
特に衣替えの時期など長期間品物を保管する前は、「シミ抜き」や「ウェットクリーニング」をお願いすることをお薦めします。しっかり汚れを落とすことにより、虫食いなどのリスクを減らすことが出来ます。

「シミ抜き」や「ウェットクリーニング」などは相応の手間と時間がかかります。そのことにより料金がかかります。
そして何より理解しておかなければならないのが、お店の技術力の違いによって、衣類へのダメージを少なく汚れを落とすことが出来るお店と、残念ながら出来ないお店があります。つまり、あるお店では落とせなかった汚れでも別のお店では落とせることもよくあることです。

そのようなことからも、シミ抜きやウェットクリーニングを試すことで、利用したクリーニング店のレベルを知る手掛かりにもなります。

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